昨日、ほんと久しぶりに建築の講演会にお誘いいただき参加させていただいた。
一人でいったんだけど、建築界の友人がいたりして。

やっぱり業界は狭いなって思った。笑

 
懇親会で同じ志を持つ、大工さんや建築家さん、各職人さん、材木屋、
メーカーの人たちにお会いできて嬉しい時間だった。

 
その中で熱い!大工さんとの話の中で「設計事務所(建築家)は
施主から予算と工期を少しでも多くまとめてくるのが仕事や」と、
おっしゃっていて、まさに!その通りだ!と思った。

 
誤解があってはいけないので説明しておくと。

施主からお金を取る(奪う)という意味ではなく。
施主が求めるものに伴う予算を安請け合いするのではなく、
三方良しで皆が良い着地をするための常識の範囲の予算の意味だ。
 
僕は船出(独立)が26歳とおそらく建築の世界では早い方であったこともあり、
当時は経験もない、お金もない、どうやって舵を切っていいのか?さえ分からなかったけれど、
根拠のない自信だけはなぜか?人の数倍あった。笑、

その思い込みが原動力になって今に至るのだけど。
あれから約20年経った今に思うのは、一段、次に進むというイメージだ。
 
独立当時、生き残るには、とにかく!経験値のなさを
寝る間を惜しんで学び、現場で実践していく繰り返し。
そのためにも依頼があれば一切ことわることもなく、
ローコスト、ローコスト。求められる希望要望を越えた
厳しい予算の無さの中で試行錯誤をして来たように思う。
 
でも、それも2017年の昨年で、もう安普請、安請け合いは一切辞めよう!と決めて。
今年は年明けからほんと申し訳ないくらいにお仕事は辞退させていただいた。
おそらく総工費の合計、数億円をおことわりしたかな?(たぶん)
 
でも無くなるわけないのに、長年の仕事が無くなる不安からそれらを安く請けてしまい。
取り返しのつかない泥沼にハマったこともあっただけに、
ここで自分の不安との戦いがあったけれど、
なんとかそれをクリアすることができたように思う。
 
建築という仕事はヤメるつもりもない。
 
でも現場の職人さんたちの見積もり算定の時に「ごめん!予算厳しいので!
ほんと毎度申し訳ない!なんとかしてもらえないか?」というのはヤメた。
 
すべてはバランスやと思う。

施主が望むものは、それは当然予算が積み重なり、掛かるものは掛かる。
それを僕たちが泣き寝入りして、赤字になって、やることではない。
予算がないのは僕たちの問題ではなく。それは施主側の問題であるので、
そういう話には乗らないことにした。
 
結果、みんな良しの着地がほんとにしたくて。
あれやこれや試行錯誤をしては来たけれど、
結局、自分の弱さや不安が起因して巻き起こしてしまった事象だったんだな、と思う。
 
夏に突然はじまった金沢での店舗工事は、時間はなかったが、
自分の決めたルール(坪単価100万円以上・設計料も面積単価)がOKだったので、
お請けさせていただき、なんとな完了させていただき責任は果たせたかなと思う。
 
しばらくまた次が始まるまで、休みに入るのだけど。やっぱり良い本物の仕事、
みんなが良しの着地を目指す。ブレない自分のルールの基で歩きたい。
 
(写真は2015年に創らせていただいた、若狭小浜の神殿建築「華双寿」ローコスト建築経験の最後の方の足跡かな。聞いたらびっくりローコストでよくここまで出来たものです。水盤(池)を含めての金額、ここでは言えないけれど今思えば有り得ない。笑)

 
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