化学系の接着剤を混ぜた建材系の左官材ではなく、
愛知県産の紅色の土、紅土（べにつち）に麻スサを混ぜた壁。
　
自分で仕入れようと左官専門の材料やさんを紹介していただき訪ねてみると。
既に愛知県の土を採っている大元が、家業を閉じられたとか・・。
　
よって仕入れできないことが発覚！あまりのショックを受けていると
京都の佐藤左官所属の友人左官職人：本田秀雅氏。
　
「まだ、在庫あるよ。」
「えっまじっ！やった！」
　
よろしくお願いします！。
左官職人さんごと若狭小浜に来てくださいました。
　
無垢材の木材（杉・桧・ケヤキ・桧葉・ウォルナット・マホガニー・桐・ブラック
チェリー・チーク・花梨）、ウール断熱材、真鍮、鉄、土、和紙、麻、珪藻土、石など。

現代の建築素材の代表であるビニルクロス、ビニルシート、塩ビ、プラスチック、ベニヤ、
アクリル塗料、メラミン合板、ポリ合板・・。などとは相反するかつての素材たち。
　
工業製品化されたものではなく個人の顔が見える生産者さんたちの素材。
　
これらを使い、手に職を身につけられた職人さんたちと創り上げる建築という空間。
やはり放つ気が違うのですよね。
　
世の中の大きな流れに反するのかもしれないけれど、
僕はせっかく大切な施主さんのお金を使うのであれば、
しっかり生きるこっちが心地良くやはり好き。

事務所設立以来15年間、
一切、ビニルクロスの品番やメラミン合板の色番号を指定したことがない。
　
衣食住、すべてに同じことが云えるのではないかな。
　
衣食住の「住」担う者の一人として。計画力と素材力、
手仕事の仕事力で創り上げられる結果としての建築。目指す世界がはっきりしている。