日常の暮らしの中の10日は一瞬。
旅の10日はなにかいつも深い、また別の時がながれるようだ。

日本の方が寒いですね。
昨日の日付が変わった頃に帰ってきました。

想像ではチベットの方が極寒で寒い・・と思っていたけれど、
日中は15度くらいのぽかぽか陽気。

空気は薄いけれどあたたかく過ごしやすいことがわかった。
極寒は更に高度の高いチョモランマ、
聖地カイラスなどラサより更に西に行ったところなんだろう。

わずか10日だけど。
わずか10日ではなかった。

僕がチベットに惹かれはじめたのはダライラマ法王の存在そのものから。

何か満たされず、足りない足りないもっともっと。
在ることよりも無いことにフォーカスをしていたことが多かったような
気がする20代。

10年前、母が他界した。
自分の中の衝撃で、生というものが永遠に続くことのように錯覚していたこともあり、
更に衝撃だった30代の始まり。

それまで死生観というものを持ったことがなかった。

なんとなく日本に生まれ、なんとなく教育を受けて、
なんとなく社会人になって、サラリーマンにこそ成らなかったけれど、
仕事で成功していくことが、すべてなんだと。そんな風に思っていた。

だけど今は、はっきり言える。「そうではない」と。

この10年で身近な家族がいなくなったことと、
その回りで精神を病む身内が多かったこともあり、
なぜ?どうして?の気持ちから答えを探すために数多の本を読みあさった。

精神世界のこと、宇宙そのもののこと、宗教関係のこと、
ありとあらゆる分野の本たちと出逢い、ある時、ストンと
すべてが腑に落ち一気に目の前が開けた。すべてが蒼天の空のように理解できた、
言い切ってもいい。

その中にダライラマ法王の著書もあった。

自分に起こるすべての出来事、事象は、個々の意識の投影であることから、
或る信念なり、考え方、在り方、捉え方が現実をつくりだす。

幸せというものは回りの環境や境遇では決まらない。
心の在り方ですべてが決まる。

幸せだから笑っているのではなく。
笑っているから幸せなのだ。
心の平和を見つけるのは他者ではなく他ならない自身そのものなのだ。

この旅で、深い縁をいただき実現に関わってくださった友。
旅日記を読んでくださった皆さま!。

有り難すぎて‥有り難すぎて。
ほんとうにありがとうございます!。

ラサ市内から空港に向かう途中、
夕闇迫る西の空があまりにも美しかった‥。

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他者の幸せを大切にすればするほど、
私たち自身の幸せへの意識も深まってきます。

他者へのあたたかい親近感が深まれば、
自然に自分の心も休まってくるものです。

この気持ちは、どんな怖れや不安を抱いていても、
それを取り除く手助けとなり、
直面する障害と闘う力を与えてくれます。

これが、人生における
究極的な成功の源となるのです。

本当の世界平和は、
心の中に育まれたひとりひとりの「心の平和」によって
築かれるべきでものであり、

そのために愛と慈悲の心、
つまり「やさしさと思いやり」が必要とされているのです。

すべての生き物は幸福を望んでおり、
誰もが等しく幸福になる権利を生まれつきもっています。

にもかかわらず、不幸ばかり味わっているのは、
自分の心がコントロールできず、惑ってしまっているからです。

もし本当に自己中心的になってみたいというのなら、
うんと利他主義に徹してみるべきだ、と私はよく冗談を言います。

他者の面倒をよく見てやり、幸せを考えてあげ、手を貸し、世話を焼き、
もっとたくさんの友人、たくさんの笑顔をこしらえてごらんなさい。
あなたが助けを必要とした時、きっと大勢の支援者が集まるでしょう。

ダライラマ14世

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