大雨の日曜日から数日が経ち、また週末がやって来ます。
ようやく、ゆっくり向き合っています。

大飯原発から関西地方へ送電を開始して2日が経ちました。
今、世界中が注目している福井県若狭地方。
地元の町はなにもなかったかのような、いつもの静けさです。

敢えて触れないような町の空気は相変わらずだが
敢えて触れることにする!。

大飯原発の在るおおい町の隣町、若狭小浜。
この町は生まれ故郷であり今も京都ともう一つの若狭のアトリエが
海から山に15分ほど行ったところに在り、
なにか不思議に懐かしい里山が在る町でもあります。

9年前に他界した母の実家が江戸時代から続く造り酒家で
軽く130年は越える古民家や更に古い大きな酒蔵が今も残っています。
8年前にその古民家を改装させてもらってそこをもう一つの静かな自然の中の
アトリエとして全国各地の建築の仕事をさせてもらう旅の拠点になっています。


7月1日の夜9時の再稼働を止めるための抗議行動。
全国各地から集まった、たくさんの人たち。


地元すぎて、長年、原子力発電所のことについて口にすることすらタブーな空気。
3.11の福島第一事故以前よりずっと前から、要らんやろ!と思いながらも
あまりにも身近すぎて‥、

原発関係で働く友のなんて多いこと。

僕にかぎったことではなく
この町に暮らす皆もきっと、友人知人そして家族や親戚さんの中に少なからず
原発に関わっている人が一人はいて複雑な気持ちでいることと思います‥。
そして複雑に入り組んだこの構図は40年という時を経て織り重ねられ、

問題が複雑に入り込みすぎて
身近すぎて、でも、それでも、原発依存を抜けて次を探していかないと‥!、
永遠に続くことではあるまいし‥。


ん‥‥原発のことを書こうとすると、
なんか、やはり筆が重い。


さて!そんな地元の中、
大飯原発の再稼働について東京の総理官邸を取り囲む20万人規模のデモや、
大飯原発の目の前の反対デモはネットのニュースで知っていました。

どこか主観である自分もいたり、客観的に観ている自分もいます。
と云うのも、2011年3月11日の福島第一原発の事故。
これらが起こる前と後では、世論がほんとに180度違っています。

3.11のずっと以前から原発に頼らない持続可能な循環型の世界をつくろう!と、
衣食住を含め様々な活動はして来ています。

その長年の活動の中で学んだこと。
批判や反対活動は世論を変えるぐらい!
すそ野を広げるためのチカラには成れなかったという経験もしました。
反対活動を45年という長い時を費やされている先輩方(地元の反対活動家)からも
そう教えてもらったりもしました‥。

地元だからこそよく見え、よくわかること。
そして先輩方が導いた答えの一つ。

「一人一人の心の調和からしか、はじまらない。」

45年という長き時、自分たちの不安を煽ることでの活動では
結果、原発を止めることができなかった‥。申し訳ない‥、と。

なにか深くて重い‥‥。
原発反対という枠を越え人間そのものの存在の意味というか、
すべての答えがここに在り!。

どーんっ‥‥と衝撃を受けてしまいました。

先日の大飯原発を取り囲む反対デモ。
それぞれの今のお役目があると思うので、行動そのものに良いも悪いも
判断することではないと僕は思っています。

3.11以降に目覚め活動をはじめた方たちも沢山いらっしゃると思います。
だけどね、そんなのは遠い遠い原発が出来る前の昔に、都会から遥か遠いと
思われる辺境の地で先輩たちがやって来たことです。
世論の圧倒的な無関心の元、小さな声は大量生産大量消費の世の中の便利な暮らしと
引き替えに掻き消されてきたように思います。

その長き経験を越えて、ほんとうの平和って。
自分自身からしかはじまらない!。
そこに行きついた先輩方の言葉の重み‥、ずしんっ‥と来ました。

今回、先輩方はデモには参加されませんでした。
でも当時を知らない僕は現場の空気を今!知りたくて。
居ても立ってもいられない衝動にかられ!駆け付けてきました!。


雨も上がり
小浜市から、おおい町に向かうトンネルを抜けた高台から観た大飯原発の在る
大島半島に光が射して来ました‥。(アトリエから10分のところ)
半島の先端の小山の向こうに大飯原発が在ります。

大飯1

大飯2

このトンネルを抜けると最前線の現場です!。

大飯3

大飯4

友がたくさんいました!。
若狭の友というよりも近隣(京都の綾部や舞鶴、京都市、大阪、神戸、など)各地の、
地元おおい町の友には1人も会わなかった。

そして何か客観的な自分もいます。
2時間ほど滞在して、なんとも云えない気持ちになって‥現場を後にしました。

この国は独裁政権ではなく。
選挙によって政権運営をする政治家を選ぶことができます。

今回、再稼働を決めた民主党政権。
2009年夏に彼らに一票を投じて政権交代させてしまった一人一人にも
責任があると僕は思っています。

選挙にいかないで政府批判だけをすることは明らかな責任感の欠如、
今のこの国で抗議活動ではなく止めることができる唯一の方法が選挙。

でもね、政府運営する政党がまた次に変わったとしても
また同じ繰り返しなようにも感じています。
もっと深い深いところの仕組みをガラッと根本から入れ替えない限り‥。

でも未来を感じる明るいニュースもあります。
環境エネルギー政策研究所の飯田哲也さんが
山口県知事選に出られることは、たいへん嬉しい。

先月小浜市で開催されたmeecでお会いしたばかりの、その日の夜のニュースで
知事選のことが発表されていたことが大変やはり嬉しかった。
なにかとても身近な気持ちになりました。


現場を離れ再びトンネルを越えて広がった世界。
トンネルの向こうからは今も太鼓の音と「再稼働反対!」のたくさんの声。

たった小山を越えただけのこちらは月夜に輝く海‥。

美しい‥。
すべての答えがここに在りました。
完璧に調和された世界‥。

「一人一人の心の調和からしか、はじまらない。」

深く深く響いていました‥。


大飯の海