いろいろなことが脳裏をよぎりました。


3月2日、正式には朝から始まる下根来八幡宮の最も古い
形式の小屋長床(ながとこ)で行われる山八神事から始まります。

供物の赤土の饅頭をつけた棒で宮役が外陣の柱に勢いよく
「山」「八」と書いて豊作を祈願します。

13時からは神宮寺本堂で修二会が営まれ、
神宮寺遠敷明神宮前では弓打ち神事弓射大会が行われます。

19時頃、神宮寺本堂の回廊から赤装束の僧が大松明を左右に振りかざす
達陀(だったん)の行が行われ大護摩からもらいうけた火を手に山伏姿の
行者や白装束の僧侶らを先頭に3000人程度の(誰でも参加できます)
松明行列がほら貝の音とともに2km上流の鵜の瀬へ向かい
束の御住職が祝詞を読み竹筒からお香水を遠敷川へ注ぎます。
このお香水は10日かかって東大寺・二月堂の「若狭井」に届くとされています。


1,298年間、若狭の小さな雪深い里山に続く待ち遠しい春を迎える御神事。
8年前から関わらせていただいている。

精神性が深く‥繊細で
古の國の中心、奈良の都との深い関わりのある御神事だけあって氣品があり
そして素朴である‥。

情報が溢れかえっているこの時代
果たして生きることにそんなに溢れんばかりの情報が必要なのだろうか?
SNSのタイムラインの流れを中心に生きる世界とは無縁の世界が確実にここに在る。

お水送りの大松明を鵜ノ瀬の河原まで運ぶ間の松明行列の長い列の中
素朴に村の神事に関わる人たちの気遣いや心の結い、笑い声が心地良く

きっと昔の日本はすべてこうだったんだろうな‥、
経済中心の都会の価値観とは明らかに違う刻が今もしっかり息づいている。
そんなことを感じうれしさがこみあげてきて、
心の奥深くに引っかかっていたなにかが浄化してゆきました‥。

ありがとうございます。
水の國若狭から古の都へお水を送り、いよいよ春風が吹き始めます。


お水-1

お水-2

お水-3

お水-4

お水-5