ひさしぶりに京都に帰ってきました。

ずっと旅を続けていたこともあって
なにか日常の京都の町が違った風景のように見えます。

暑かった夏の記憶が、
なにか懐かしく感じる秋の京都。
時間としてはそれほど経っていないのだけど
ずっとずっと遠い過去の出来事だったのかと思えてしまう。

それは時間というのが、
有機的に伸びたり縮んだりしている証なのだろう。

そんなことを考えながら、
土曜日に開催された「若狭小浜 海のシルクロード音楽祭」のことを想い
写真に流れている、まだ新しい時間、記憶、を感じ紡いでいきたいと思う。

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写真

自身も写真が好きでよく撮りにいきます。

今回は企画立案したことから進行を担当することになり
撮影にまわる時間がないので、
滋賀県朽木村に住む友の写真家・尾崎正樹氏にまるごとお願いしました。

http://ozakin.cocolog-nifty.com

この写真家さん、
子どもから大人までみんなに通称「おざきん」と呼ばれています。
夏休みの8月なんか、毎日子どもたちが「おざきん!あそぼ!」と
やって来て一緒に野山を走り回っています。

人を撮るのが大好きで、
胸がグッと締め付けられるほどの笑顔がいっぱいの写真たち、
切ないくらいそこに流れている風を感じる風景の写真たち、
あたたかくて、懐かしくて、ほっとします。

僕はおざきんファンの一人です。

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でも、いつもいつも
「いや〜自分なんて‥、ぜんぜんダメダメ‥」と
落としすぎるくらい自分を落とします。
なんで?と尋ねると、子どもから大人になる過程でなにかがあって
うまく素直に自分を表現できなくなったのかな、と教えてくれました。
いっぱい見てほしいのに素直にそう言えない自分がいると‥。

自信というか、
表現というか、

ま、それがおざきんのあるがままの姿だから
無理せずよい好きな写真を心のままに撮っていってくれたらなと。
友として思います。


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リハーサルの模様です。
その時の空気を素晴らしく捉えてくれています。

開場5時半。
開演6時。

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昼と夜へ入れ替わる時、境内の参道にあかりが灯ります。

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えま&慧奏さんのプロフィールにあった。
「弾くというより、唄う、弓。すべての音に溶け合うピアノ」

まさに。
やわらかく、あたたかく、やさしい声と音に魅き込まれました。
そして、ぽんぽんっと心地良く音を奏でておられるかのような、えまさんのMC。
すごくすごく良かった。

真砂さんのあまりにも透明であたたかいインディアンフルートの音色に
3年前、魅き込まれたあの明通寺本堂を思い出していました。
益々透明度が増して来られている、そう感じました。

なんか、
いろいろなことが思い出されて来て「琴線に触れる」というとおり
理由なく涙が溢れてしまう‥。
いろいろ深く傷ついた心の出来事や悲しみ、苦しさ、辛さ、
いっけんマイナスと捉えられている出来事をそっと溶かしてくれる‥。
それは決してマイナスではなくてプラスを感じるために必要なことなんだと
言ってくれてるような音たち。

きっと心の奥の奥の無意識がしっかり反応してくれているんだろうな。
音楽には言葉も理屈もなにも要らないと改めて知った一夜となりました。

ありがとう‥。