先日、ご紹介させていただいた制作途中の音木函ですが昨晩完成いたしました。

森の循環(人工林)を考えた時に人が手を入れることの一つとして間伐があります。植林してそのまま放置してしまうと成長と共に密集し過ぎてしまいお互い狭い中で光を受けようとしますから、光の取り合い状態に…。そうならないように適度に間を伐っていき全体の調和を保つのです。ところが国内の林業自体が外国産の木材に圧されたり様々な要素が悪循環を呼び、30年の杉1本が実は2000円ほどにしかならないという現実を導いてしまいました。お金に成らない木を手間暇掛けて育てること自体が大赤字になってしまうので、結局、人が林業(仕事)として入れないので放置林が増え、それらが原因で杉花粉の大量発生という春の一大イベントを開催してしまっています。根本から変えていかないと悪いスパイラルから抜けられません。

そこで、人の経済活動の循環を呼び水として生き返ることができるのならば、適正な価格で間伐もできますからね。それには加工品「家具」としての付加価値をつけて世の中で循環していけたのならばという想いから、小さな一歩ですが家具プロジェクト「言の葉風」シリーズを始めました(今準備制作段階ですが)。無垢材の家具と言えば、木材の選木をしてより優れた木材(節のないもの)を選び造られますから、高額になってしまいます。1枚板のテーブル1台が50〜100万円することも良くあります(NETで調べてもらえると分かると思います)ですが高額家具はお金を持ってる人が贅沢品として購入する一部のモノとなってしまうことでは大きな循環が生まれないのではないかと思います。購入される方々にも、お手頃価格で買っていただいてこそ循環が生まれるのではないかと。僕たちの仕事は、ほんとうに「ほしい」という気持ちになっていただけるか気持ちを込めてきっちりデザインする、制作することなんだと思います。そして三方良しの価格設定の調和がとれた時にはじめて循環していくのだろうと考えています。

言の葉風として次は(仮称)本棚をつくります。誰にも大切な本がきっとあると思います。その本が生きるような本棚がほしいなぁというのが描こうと思ったきっかけです。

oto-kibako